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彼女がその名を知らない鳥たち

3点。かなりのイヤミス。ミステリとしては驚きはない。しかし,作品全体のインパクトは悪い意味で強烈。ある意味忘れられない作品。北原佐和子と佐野陣治のキャラクターが強烈。そして,このキャラクターが全く肌に合わない。大阪が舞台で,関西弁で描かれる佐和子と陣治の会話などを見てると,正直,イライラがつのってしまった。ほかの登場人物である黒崎,国枝,美鈴,水島なども不愉快なキャラクターで肌に合わない。そもそも文体が合わない。久々に読んでいて苦痛に感じた作品。ラストも驚愕というより,なんで?と感じてしまった。
〇 総合評価  ★★☆☆☆
〇 サプライズ ★☆☆☆☆
〇 熱中度   ★☆☆☆☆
〇 インパクト ★★★★☆
〇 キャラクター★★★★☆
〇 読後感   ★☆☆☆☆
〇 希少価値  ☆☆☆☆☆
 ミステリとしてのプロットは,ヒロインである北原佐和子が,かつて自分を騙し,捨てた黒崎俊一という男を殺害したが,そのことを忘れていたというもの。記憶を失った佐和子は黒崎が生きていると思い,黒崎への思いを馳せる。犯人が自分の犯行を忘れているという記憶喪失モノ。それに加え,再度,水島という男に騙されそうになり,水島という男を殺害しようとするところで,事実婚をしている夫である陣治という男に止められ,記憶を取り戻すというもの。正直,ミステリという観点から見るとこれといった面白みはない。ミステリ慣れした読者なら「黒崎は佐和子に殺されていて,佐和子はその記憶をなくしているという話なんじゃない?」と察してしまうだろう。
 この作品の特徴は強烈なキャラクターにある。大阪が舞台となっており,関西弁で描かれる北原佐和子や佐野陣治というキャラクターは強烈である。黒崎というキャラクターは悪役としては割とありきたり。水島もこういった作品ではありがちなセコい悪役。よってこの作品を特徴付けているのは佐和子と陣治の二人である。また,脇役ではあるが佐和子の姉の美鈴もインパクトを残す。夫が東京に栄転のはずが,会社内で女性トラブルがあり別居。左遷されても自身を肯定しようとする姿。これはこの作家らしい皮肉な怖さがある。
 衝撃のラストという触れ込みだが,その衝撃のラストというのは,陣治が高台から飛び降りるというもの。最後まで陣治と佐和子のキャラクターと行動は強烈でインパクトに残る。
 読後感の悪さとキャラクターのインパクトが強烈だが,ミステリとしてはそれほど見るべき点はない。サプライズもない。イヤミスは好きだがこの作品は佐和子と陣治のキャラクターが肌に合わず,面白いと思わなかった。読むのが苦痛だった作品。評価としては★2で。

メモ
〇 水嶋
〇 佐野陣治と北原佐和子の出会いから現状までの描写。陣治は待遇の悪さなどもあって勤めていたT建設を辞める。
〇 中丸屋の販売員の水島との出会い。
〇 黒崎俊一との思い出。佐和子は黒崎に騙され,黒崎はカヨという女性と結婚する。佐和子は「国枝」という老人の相手をさせられていた。佐和子は黒崎に捨てられる。
〇 十和子は水島との不倫を始める。
〇 十和子の不倫と不倫を疑う陣治の行動など
〇 十和子は水島に騙されていることを薄々しる。陣治から黒崎を殺害し,埋めたという話を聞く。
〇 十和子は水島を殺害しようとするが,すんでのところで陣治に喰い止められる。
〇 真相→ラスト
 十和子は3年ぶりに呼び出された黒崎を殺害する。陣治がその後始末をしていた。十和子はその記憶をなくしていた。十和子は全てを思い出す。十和子を生かすために陣治は高台から飛び降りる。
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