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万能鑑定士Qの事件簿 7

6点。純金が無価値の合金に変わってしまう「逆錬金術」事件。この事件が,脱税でため込んだ財産を狙う一味によって行われている。そして,次に狙われるのは新進気鋭の出版社「ステファニー出版」。万能鑑定士,凜田莉子は,マルサの依頼を受け,ステファニー出版に入り込む。そのほか,小説盗作事件,時価5億円のペンダント紛失事件など,魅力的な謎が詰め込まれている。まるで短編集のように,良質の謎と解決を詰め込みながら,全体としては逆錬金術


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著者 : 松岡圭祐
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日 : 2010-12-25
〇 概要
 純金が無価値の合金に変わってしまうという「逆錬金術」の謎と,脱税の容疑を捜査するため,凜田莉子は万能鑑定士Qの店舗を閉め,有名ファッション誌のカリスマ編集長に接近する。小説盗難騒ぎ,5億円のペンダントの紛失などの事件,そして最後に残る逆錬金術の謎とは?

〇 総合評価

〇 サプライズ ★★★☆☆
 ペンダント紛失事件の真犯人が雲居課長だったという部分は驚いた。そのほかの部分にはさほど驚きはない。

〇 熱中度 ★★★★☆
 雑学知識をちりばめたり,盗作騒ぎ,ペンダント紛失騒ぎ,逆錬金術事件と,小粒ながら立て続けに事件,謎を提示して読者を引っ張る。なかなか。

〇 インパクト ★★☆☆☆
 薄い。雑学は所詮雑学。盗作騒ぎは,印刷会社のボンボンが犯人。ペンダント紛失はGPS付の手提げ金庫のすり替え。逆錬金術事件も,切断面を見せているように見せかけるという物理トリック。トリックが弱く,インパクトに残らない。

〇 キャラクター ★★★☆☆ 
 城ヶ崎編集長が相手役なんだろうが,登場シーンが少ない上に,カリスマ編集中っぽさがあまり描かれない。明らかに莉子より格下扱い。これに対し,園部遥菜は,能力では莉子に遠く及ばないのだが,弱さを存分に見せることで,逆に魅力的に描かれている。雲居課長,菊原琢磨などクセのある人物もいて,キャラクターはそこそこ。

〇 読後感 ★★★★☆
 城ヶ崎編集長は改心し,園部遥菜はいいポジションに付く。読後感はよい。

〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
 人気シリーズなので,希少価値はない。

〇 メモ
〇 プロローグは,ステファニー出版の編集長第1秘書である園部遥菜の視点による月刊誌イザベルのクリスマスイブ号の電子出版の発行の際のシーン。編集長の指示で,遥菜は対応に苦慮している。
〇 課長の雲伊司が,手提げ金庫を借りに来ているシーン。第2秘書である凜田莉子の居場所を遥菜から聞かれる。
〇 編集長の指示どおりに,記事の修正を行う。アメリカでも郵便配達の車は右ハンドルというのが決め手
〇 菊原琢磨の小説の盗作騒ぎがあり,同人のコラムが打ち切られる。
〇 莉子の店に,合金の鑑定の依頼がくる。氷室に科学鑑定をしてもらったところ,重さだけは金と同じの合金であることが分かる。
〇 莉子のところに,小説の盗作疑惑がある菊原琢磨が相談にくる。
〇 薮野実に盗作された関係で,莉子は,菊原と横畑という弁護士に相談に行く。
〇 脱税疑惑のある会社を捜査する警察の描写。そこに,金の延べ棒ではなく合金が見つかる。
〇 喫茶店で薮野が嗅覚のテストを行う。横畑がいかさまをする。莉子は横畑と薮野の共犯関係を暴く。
〇 菊原は盗作の誤解が解け,ステファニー出版のコラムも継続することになる。ステファニー出版から出てきたところを,国税局調査部の人物から声を掛けられる。脱税者が金の延べ棒だと思って保管していたものが合金になっているという。
〇 ステファニー出版には脱税の疑惑がある。合金に変わった金は,悪質な脱税者に売り込みに来られているという。莉子は,ステファニー出版に就職し,内部から調査をしてほしいと国税局調査部から依頼される。
〇 莉子はステファニー出版に就職。第2秘書としてリモコンが壊れたエアコンを作動させたり,そうめんとひやむぎの違いをみぬくなどして活躍する。
〇 時系列としては,ここでプロローグ部分の後につながる。クリスマスイブ号の発行を終えたステファニー出版のクリスマスパーティの描写。ここで,天王寺会長から借りたペンダントが無くなる。
〇 ペンダント紛失事件の犯人は,いかにも怪しかった鴨立係長ではなく,雲居課長だった。
〇 莉子はペンダント紛失事件を解決したことから,第1秘書になり、城ヶ崎編集長との関係も近いものになる。
〇 第1秘書となった莉子は城ヶ崎と金の延べ棒の交渉の場に立ち会う。莉子は,金の延べ棒のトリックを見抜き,口座を凍結させることに成功する。
〇 莉子は,城ヶ崎に脱税していた税金を納めるように進言し,ステファニー出版を去る。
〇 ステファニー出版は角川に買収され,イザベルは出版を続ける。遥奈は,小笠原に「莉子は高根の花なんてものじゃないから,心して」と伝える。
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